259911 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

**rose ... child **

yura出産

日付は9/18に変わった。
手術室に運ばれていく私。旦那が待っていてくれる。
それだけで強くなれそうだった。

手術台の上に乗るととたんに震えが来た。
いままで落ちついていたはずだったのに・・。
出産うんぬんよりもそのときの私はただ手術(お腹を切ること)が
恐かった。医師から聞かされていた万一の輸血のことも気になった。
手を・・手を握っていて下さい!!と叫ぶ私。
片方の手を麻酔科の医師がもう片方の手を担当の助産師が握っていて
くれていた。とても安心出来た。

麻酔が効いて来た・・と同時にお腹に変な違和感を感じた。
なんていうんだろうこれって、なんか魚をさばくときの感触に似ている
かも・・・(苦笑)痛みは全然無い。気持ち悪さもない。
ただ、ザクッとかグニューとかすごい力で引っ張られているような
感触はあった。


そう時間は過ぎていないと思う。
突然「オギャーオギャーオギャ・・・・・」と産声が聞こえた。
あ、う、産まれたんだ!泣いてる・・あぁ生きてるんだ、
元気なんだ・・
そう思ったら涙がこみ上げてきて声を上げて泣いてしまった。
その間yuraは遠くの方にいる様子。何か処置されているんだろう。
そしてまもなく保育器に入ったオムツ一枚のyuraが目の前に現れた。
初対面。なんて小さいんだろう。あぁだけどかわいいなあ。
思ったよりも色はいいなあ、髪の毛あるしモゾモゾしてる・・。
涙でよく見えない。
この時は苦しみが終わったんだ。そして娘を産み出すことが
出来たんだ・・ずっとずっと駄目だと言われ続けてきた命が目の前にある。ほっとした気持ちが大きかった。
yuraは小さな小さな手で私の小指をギュっと握り締めてくれた。

その後旦那と面会。
旦那も急な出産でびっくりしただろうけれど
終わったと言うのが正直なとこだったと思う。
とにかく家族全員が長く苦しい数ヶ月だったから。
その後旦那が医師の話を聞いてきてこう話した。
「まず、赤ちゃんは元気。29w1000gと数週の割には
小さい赤ちゃんだけどアプガースコアも最初から9あり
自発呼吸もちゃんと出来ている。これから未熟児ゆえに乗り越えないと
いけないものが出てくる」
ああ、そんな小さかったんだなあ、でも元気なんだ。
すごいよ!本当に強い子だしいろんなものに守られたんだなあ。

この日はとりあえず少し眠れそうだったので寝ることにした。
思いがけず急な出産になったけれど
意外に心境は穏やかだった。今思えばこの時は本当の現実を
まだ受け止められていないだけだった。


© Rakuten Group, Inc.
X